大阪高等裁判所 平成4年(行コ)1号 判決 1992年10月23日
兵庫県芦屋市潮見町七番一二号
控訴人
革嶋由利子
右訴訟代理人弁護士
石田好孝
同
久岡英樹
兵庫県芦屋市公光町六番二号
被控訴人
芦屋税務署長 吉田進
右指定代理人
小久保孝雄
同
久木田利光
同
田岡勝
同
服部潔
主文
一 本件控訴を棄却する。
二 控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
一 控訴の趣旨
一 原判決を取り消す。
2 被控訴人が控訴人に対して、昭和六一年一〇月三〇日付けでした控訴人の昭和六〇年分所得税についての更正処分及び重加算税の賦課決定処分(ただし、重加算税の賦課決定処分については、昭和六三年六月二一日付け審査裁決により一部取り消された後のもの)をいずれも取り消す。
二 事実関係
原判決事実摘示のとおりであるから、これを引用する。ただし、二枚目表末行の「同年」を「昭和六一年」に改め、四枚目表四行目の「租税特別措置法」の次に「(昭和六二年法律第九六号による改正前のもの、以下同じ。)を加え、五枚目表八、九行目の「一〇〇〇分の五」を「一〇〇分の五」に、七枚目表五行目及び九枚目表七行目の「不動産サービスセンター」を「不動サービスセンター」に、九枚目六行目の「同年」を「昭和五九年」に、同九行目の「一二月八日」を「一二月一八日」に改める。
三 当裁判所の判断
次のとおり付加、訂正するほかは、原判決の理由欄記載のとおりであるから、これを引用する。
1 一〇枚目表八行目の「課税を繰り延べること」を「課税につき、当該譲渡資産の譲渡による収入金額が当該買換資産の取得価額以下である場合にあっては当該譲渡資産の譲渡がなかったものとし、当該収入金額が当該取得価額を超える場合にあっては当該譲渡資産のうちその超える金額に相当するものとして政令で定める部分の譲渡があったものとして、同法三一条の規定を適用すること」に改める。
2 一一枚目表九行目及び一三枚目表三行目の「同年」を「昭和五九年」に、一一枚目表一〇行目、一三枚目表五行目、同九行目及び一四枚目裏三行目の「不動産サービスセンター」を「不動サービスセンター」に、一二枚目裏四行目の「(奥様の話」を(奥様の話)」に改め、一四枚目裏八行目の「<2>については」の次に「、成立に争いのない甲第七八号証の一ないし七によれば、恒徳は京都市西京区に宅地、山林等を所有していることが認められるが」を加え、一六枚目裏三、四行目の「マンションか」を「マンションから」に改める。
3 二〇枚目裏一〇行目末尾の次に改行の上、「前掲甲第六号証の一ないし七によれば、昭和六〇年三月ないし一〇月に本件建物の電話が使用され、毎月の通話料が少ない月で五六〇円、多い月で五一三〇円支払われていること(ただし、右通話料は、成立に争いのない第四五号証の一ないし八によって認められる右期間中の山田のマンションの電話の使用による通話料よりは少ない額である。)が認められるが、この事実も、控訴人が本件建物を右期間ある程度使用していたことの証左になっても、本件建物が控訴人の実質的な生活の本拠になっていたことまで認めるには足りない。また、弁論の全趣旨により真正に成立したものと認める甲第八三号証によれば、控訴人は昭和六〇年一〇月に行われた国勢調査を本件建物で受けたことがうかがわれるが、そのような事実があるからといって、ただちに本件建物が控訴人の実質的な生活の本拠であったことにはならない。」を加える。
四 よって、原判決は相当であり、本件控訴は理由がない。
(裁判長裁判官 中川敏男 裁判官 渡辺貢 裁判官 小松一雄)